HPVワクチンは大人でも受けられる?対象年齢・費用・効果|MURU MURUHPVワクチンは定期接種の年齢を過ぎても、任意接種として相談できます。2026年4月以降の日本の制度、キャッチアップ接種の終了、成人が接種を考える目安、検診との違いをやさしく整理します。
HPVワクチンは、子宮頸がんをはじめとするHPV関連疾患を予防するためのワクチンです。小学校6年生から高校1年生相当の女子が公費で受ける定期接種として知られています。けれど、検索している人の多くは「もう対象年齢を過ぎてしまった」「大人でも意味があるのか」「パートナーがいる今からでも遅くないのか」と迷っているはずです。
結論から言うと、定期接種の対象年齢を過ぎた人でも、任意接種としてHPVワクチンを受けることは可能です。ただし、公費の対象ではない場合は費用が自己負担になります。効果も、思春期に接種する場合とまったく同じではありません。HPVワクチンは、すでに感染しているHPVを治す薬ではなく、これからの新しい感染を防ぐための予防策だからです。
この記事では、2026年5月時点の日本の制度をもとに、大人のHPVワクチン接種を整理します。定期接種、キャッチアップ接種、任意接種の違い。20代後半、30代、40代で考えるポイント。費用の見方。副反応や相談先。子宮頸がん検診との関係。男性やパートナーが知っておきたいことまで、できるだけ短い文でまとめます。
医療情報なので、最初に大切な前提を置きます。この記事は一般的な情報提供です。接種の可否は、年齢、性別、妊娠の有無、持病、アレルギー、過去の接種歴、自治体制度によって変わります。実際に受ける前には、医療機関、自治体の予防接種担当課、厚生労働省などの最新情報を確認してください。
日本では、定期接種の対象者に該当しない人でも、任意接種としてHPVワクチンを接種できます。厚生労働省のQ&Aでも、定期接種の対象年齢を過ぎた人は任意接種として医療機関へ相談できる一方、予防接種法に基づく公費接種の対象ではないため、費用は全額自己負担になると説明されています。
ここで混乱しやすいのは、「受けられる」と「公費で受けられる」が違うことです。定期接種は、法律に基づき自治体が実施する公費接種です。対象年齢や対象者が決まっています。任意接種は、本人の希望と医師の判断で受ける接種です。費用、取り扱うワクチン、予約方法、助成の有無は医療機関や自治体で差があります。
大人が接種を考える場面はさまざまです。対象年齢の頃に案内が届かなかった人。積極的勧奨の差し控え期間に接種機会を逃した人。過去に1回だけ受けて中断した人。新しいパートナーができた人。性感染症や子宮頸がん予防を改めて考えたい人。男性としてHPV関連疾患の予防を考えたい人。どれも、相談してよい理由です。
ただし、大人の接種では「今からでも必ず大きな効果がある」とは言い切れません。HPVは性的接触で感染しやすいウイルスです。すでに接触した型には、ワクチンで治療効果は期待できません。一方で、まだ感染していない型への予防効果は期待できます。だからこそ、接種歴、今後の感染リスク、費用、価値観をふまえて医師と話すことが大切です。
2026年4月以降、日本で公費の定期接種として受けられるHPVワクチンは、9価ワクチンのシルガード9のみになりました。対象は、小学校6年生から高校1年生相当の女子です。接種回数は、1回目を15歳になるまでに受ける場合は原則2回、15歳になってから受ける場合は原則3回です。
この変更は、これから接種する世代にとって大きな意味があります。9価ワクチンは、子宮頸がんの原因になりやすいHPV16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型などの感染を防ぐことを目的にしています。厚生労働省は、9価ワクチンにより子宮頸がんの原因の80から90%を防ぐと説明しています。
定期接種の対象年齢にいる人は、まず自治体の案内を確認しましょう。予診票、接種券、実施医療機関、予約方法は市区町村ごとに違います。引っ越し、転校、住民票の状況、海外滞在などがある場合も、住んでいる自治体に確認するのが確実です。
接種は強制ではありません。厚生労働省は、ワクチンのメリットが副反応などのデメリットより大きいことを確認して接種を勧める一方、本人の意思に基づくものだと説明しています。保護者や本人が不安を感じる場合は、リーフレットを読み、医療機関で質問し、納得してから判断して構いません。
日本では、HPVワクチンの積極的な勧奨が差し控えられていた時期がありました。その間に接種機会を逃した人のために、2022年4月から2025年3月31日まで、キャッチアップ接種が設けられました。対象は主に平成9年度生まれから平成19年度生まれの女性でした。その後、ワクチン需要の増加などを受け、一定条件の人には経過措置が設けられました。
厚生労働省のキャッチアップ接種ページでは、1回目の接種は2025年3月31日で終了したと案内されています。また、平成9年度生まれから平成20年度生まれの女性で、2022年4月から2025年3月末までに1回以上接種した人は、公費で2回目、3回目を受ける場合、2026年3月末までの接種を検討するよう案内されていました。
この記事を更新している2026年5月5日時点では、その経過措置の期限も2026年3月31日で過ぎています。つまり、キャッチアップ接種として新しく1回目を公費で始める時期は終了しています。すでに期限が過ぎているため、これから接種を考える人は、原則として任意接種の扱いを確認することになります。
ただし、自治体によっては独自の助成や個別の取り扱いがある場合があります。災害、長期療養、海外滞在、通知の未着、医療機関側の予約事情など、個別の事情がある人は、市区町村の予防接種担当課へ問い合わせてください。制度は全国一律の部分と自治体ごとの差が混ざります。
HPVは、ヒトパピローマウイルスの略です。皮膚や粘膜に感染するウイルスで、200以上の種類があります。そのうち一部は高リスク型HPVと呼ばれ、子宮頸がん、肛門がん、腟がん、外陰がん、陰茎がん、中咽頭がんなどに関わると考えられています。
HPVは珍しいウイルスではありません。厚生労働省は、子宮頸部の細胞に異常がない女性でも10から20%程度がHPVに感染していると報告されていること、海外では性行為の経験がある女性の50から80%が生涯で一度は感染すると報告されていることを紹介しています。
感染したからといって、必ずがんになるわけではありません。多くは免疫の働きで自然に消えていきます。厚生労働省のQ&Aでも、HPV感染の約90%は2年以内にHPV検査で陰性になると説明されています。問題になるのは、感染が長く続き、細胞の異常が進む場合です。
子宮頸がんは、数年から数十年かけて進行することがあります。初期には症状がほとんどないことも多いです。不正出血、性交時の出血、おりものの変化、下腹部痛などが出る頃には、進行している場合もあります。だからこそ、ワクチンによる予防と、検診による早期発見を分けて考える必要があります。
HPVワクチンの目的は、HPVの感染を予防することです。特に、子宮頸がんの原因になりやすい型の感染を防ぎます。9価ワクチンは、従来の2価、4価よりも多くの型をカバーします。日本の定期接種では、2026年4月から9価ワクチンが使われています。
大切なのは、ワクチンが「感染を予防するもの」であり、「感染や病変を治すもの」ではないことです。すでにHPVに感染している場合、その感染をワクチンで消すことはできません。すでに異形成やがんがある場合も、ワクチンだけで治療はできません。治療や経過観察は、婦人科などで行います。
一方で、過去に一つの型に感染したことがあっても、すべての型に感染しているとは限りません。HPVには多くの型があります。ワクチンがカバーする型のうち、まだ感染していない型への予防効果は期待できます。この点が、大人でも相談する価値がある理由です。
ワクチンは、子宮頸がん検診の代わりにもなりません。厚生労働省は、HPVワクチンと子宮頸がん検診はどちらも重要だと説明しています。ワクチンはすべての高リスク型HPVを防ぐわけではありません。20歳以上の女性は、自治体の子宮頸がん検診を定期的に受けることが大切です。
大人がHPVワクチンを考えるときは、メリットと限界を同時に見る必要があります。メリットは、これからの新しいHPV感染を防げる可能性があることです。新しいパートナーができる可能性がある人、今後の性生活で感染リスクがある人、過去に接種を完了していない人には、検討する余地があります。
限界は、すでに感染したHPV型には効かないことです。性経験がある人は、すでに何らかのHPVに接触している可能性があります。年齢が上がるほど、接種による集団全体としての効果は小さくなりやすいと考えられます。米国CDCも、HPVワクチンの効果は性交経験のない人で最も高く、27歳から45歳の成人では全員に一律で勧めるのではなく、医療者との共同意思決定で考える立場を示しています。
ただし、これは「大人は意味がない」という意味ではありません。たとえば、これまで性的接触の機会が少なかった人。これから新しいパートナーができる可能性がある人。過去に接種を途中でやめた人。免疫状態や性的健康について医師と相談したい人。こうした人は、個別に考える価値があります。
逆に、長く一人のパートナーと相互に一夫一婦的な関係にあり、今後も新しい感染機会が少ない人では、得られる追加メリットが小さい可能性があります。費用も高額になりやすいため、焦って決めるより、医療機関で「自分にとっての期待値」を確認しましょう。
20代後半は、定期接種やキャッチアップ接種の対象年齢を過ぎている人が多い世代です。対象年齢の頃に接種案内を見逃した人もいます。積極的勧奨の差し控えで判断しにくかった人もいます。今から任意接種として相談してよいか迷う人は少なくありません。
この年代では、まず接種歴を確認しましょう。母子健康手帳、接種済証、自治体の記録、過去の医療機関の明細などを探します。1回だけ受けている場合、最初からやり直す必要があるとは限りません。厚生労働省のQ&Aでも、接種間隔が長く空いた場合でも、接種をやり直す必要はないとされています。残りの回数をどう完了するか、医療機関に相談してください。
次に、今後の感染リスクを考えます。新しいパートナーができる予定があるか。コンドームを使える関係か。性感染症検査について話せるか。妊娠や妊活を考えているか。こうした項目は、HPVワクチンだけでなく、性の健康全体の判断に関わります。
20代後半では、子宮頸がん検診も大切です。20歳以上の女性は検診の対象です。ワクチンを受けるか迷っている間も、検診は別軸で受けてください。検診で異常が見つかった場合は、ワクチンより先に医師の指示に沿った検査や経過観察が必要になることがあります。
30代、40代でHPVワクチンを考える人もいます。離婚や再婚、新しいパートナー、久しぶりの恋愛、妊活前の健康チェック、性感染症への不安など、理由は人それぞれです。この年代でも任意接種として相談できる場合があります。
ただし、30代、40代では費用対効果をより丁寧に見る必要があります。すでにHPVに接触している可能性が高くなります。ワクチンは過去の感染や病変を治しません。今後の新しい感染機会がどのくらいあるかが、判断の中心になります。
米国では、27歳から45歳の成人に対して、全員への一律推奨ではなく、医療者との共同意思決定で考える方針が示されています。HPVワクチンは45歳を超える成人には米国では承認されていないとも説明されています。日本の制度や承認範囲は米国と同じではありませんが、「大人は個別判断」という考え方は参考になります。
30代以降では、子宮頸がん検診の重要性がさらに増します。日本では20歳以上の女性に子宮頸部細胞診が推奨されてきました。2024年4月からは、実施体制が整った自治体で30歳以上にHPV検査単独法を選べる場合もあります。自分の自治体でどの検診が行われているか確認しましょう。
HPVは女性だけの問題ではありません。HPVは性的接触で広がる可能性があり、男性にも感染します。男性では、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマなどに関わるとされています。パートナーの健康を考えるうえでも、HPVの知識は性別を問わず必要です。
日本では、男性へのHPVワクチン接種は原則として任意接種です。自治体によっては、男性接種への費用助成を行っているところもあります。対象年齢、対象ワクチン、助成額、実施時期は自治体で異なります。男性が接種を考える場合も、医療機関と自治体に確認してください。
パートナーができることは、接種だけではありません。コンドームを使うこと。性感染症検査を一緒に考えること。子宮頸がん検診を責めずに応援すること。接種の副反応が不安なときに付き添うこと。費用を一緒に考えること。HPV予防は、一人だけが背負うものではありません。
ただし、相手に接種を強制するのは違います。ワクチンは本人の意思に基づく医療行為です。大切なのは、正確な情報を共有し、相手の不安や価値観を尊重することです。「受けるべき」と迫るより、「一緒に情報を見て、必要なら医師に聞こう」と話すほうが、関係を守りやすくなります。
公費接種の対象であれば、自己負担なしで受けられることが一般的です。一方、定期接種や経過措置の対象外で任意接種になる場合、費用は自己負担です。金額は医療機関、ワクチンの種類、接種回数で変わります。9価ワクチンを3回受ける場合、総額が数万円から十万円前後になることもあります。
費用を確認するときは、1回あたりの料金だけでなく、完了までの総額を見ましょう。初診料、再診料、予診料、キャンセル料、接種証明書の発行費用が別にかかる場合もあります。2回で終わるのか、3回必要なのかでも大きく変わります。
自治体の助成も確認しましょう。女性の任意接種、男性の任意接種、キャッチアップ期間に接種できなかった人への独自対応など、自治体ごとの制度がある場合があります。対象年齢や申請期限が細かく決まっていることが多いため、医療機関に予約する前に自治体ページを見ておくと安心です。
費用が高くて迷う場合は、医師に率直に伝えて構いません。医療者は、接種の期待できるメリット、検診の優先度、他の予防策を一緒に整理できます。HPV予防は、ワクチンだけで完結しません。検診、コンドーム、性感染症検査、パートナーとの対話も含めて考えましょう。
2026年4月以降の日本の定期接種では、9価HPVワクチンを使います。厚生労働省のQ&Aでは、1回目を15歳になるまでに受ける場合は合計2回、15歳になってから受ける場合は合計3回と説明されています。2回接種では、標準的には6か月の間隔をあけます。1回目と2回目は少なくとも5か月以上あけます。
15歳になってから1回目を受ける場合は、標準的には1回目から2か月後に2回目、1回目から6か月後に3回目を受けます。予定どおりに進まない場合でも、2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あけるなどの考え方があります。実際のスケジュールは医療機関で確認してください。
過去に2価や4価のHPVワクチンで接種を始め、完了していない人もいます。2026年度から定期接種で使われるワクチンが9価に一本化されたため、途中から9価を用いる方法についても厚生労働省がQ&Aで案内しています。自己判断で最初からやり直すのではなく、接種記録を持って相談しましょう。
任意接種の場合も、接種回数や間隔は年齢、ワクチン、過去の接種歴で変わります。予約時に「何回で完了するか」「いつまでに次を受ける必要があるか」「妊娠予定がある場合はどうするか」を確認してください。スケジュールをスマホのカレンダーに入れておくと、途中で忘れにくくなります。
HPVワクチンに限らず、ワクチンには副反応が起こることがあります。接種部位の痛み、腫れ、赤み、発熱、頭痛、だるさ、筋肉痛などです。注射への緊張や痛みで、気分が悪くなったり、失神したりする人もいます。接種後は医療機関でしばらく様子を見るよう案内されることがあります。
厚生労働省は、ワクチンの安全性について、承認審査、製品ごとの国の検定、接種後の健康状況の変化の収集、専門家による定期的な評価を行っていると説明しています。副反応がゼロという意味ではありません。リスクを把握し、気になる症状が出たら早く相談できる体制が大切です。
接種後に強い痛み、しびれ、脱力、歩きにくさ、長く続く体調不良などがある場合は、接種した医療機関に相談してください。必要に応じて、地域の協力医療機関や相談窓口につながることがあります。予防接種法に基づく接種で健康被害が生じ、申請して認定された場合には、救済制度の対象になる場合もあります。
不安が強い人は、予約時に伝えておきましょう。横になって接種できるか。接種後にどれくらい院内で休めるか。副反応が出たときの連絡先はどこか。こうした小さな確認で安心感が変わります。医療行為は、怖さを我慢して黙って受けるものではありません。
妊娠中のHPVワクチン接種は、一般に延期して考えます。CDCの成人接種スケジュールでも、妊娠中はHPVワクチンを推奨せず、妊娠検査は接種前に必須ではないが、妊娠中に誤って接種しても特別な介入は不要とされています。日本で接種する場合は、必ず医師に妊娠の可能性を伝えてください。
妊活中の人は、接種スケジュールと妊娠計画を一緒に考えます。3回接種が必要な場合、完了まで半年ほどかかります。妊娠を急いでいる人は、ワクチンを優先するか、検診や他の健康チェックを優先するか、婦人科で相談すると整理しやすくなります。
授乳中の扱いは、個人の状況や医療機関の判断で確認してください。出産後は、体調、睡眠、産後の回復、育児負担が重なる時期です。接種だけを急ぐより、子宮頸がん検診、産後健診、避妊再開、性感染症検査なども含めて、無理のない順番を考えることが大切です。
妊娠を望むかどうかに関係なく、プレコンセプションケアの視点は役立ちます。ワクチン歴、風しん抗体、持病、服薬、葉酸、喫煙、飲酒、性感染症、月経異常などを確認することは、将来の選択肢を守ります。HPVワクチンは、その中の一つの項目です。
HPVワクチンは予防です。子宮頸がん検診は、異常を早く見つけるための検査です。役割が違います。ワクチンを受けた人も、検診を受ける必要があります。ワクチンを受けていない人も、検診で早期発見につなげることができます。
日本では、20歳以上の女性に子宮頸がん検診が推奨されています。従来は2年に1回の子宮頸部細胞診が中心でした。2024年4月からは、体制が整った自治体で、30歳以上に5年に1回のHPV検査単独法も選択可能になっています。どの方法を採用しているかは自治体で違います。
検診で異常が見つかった場合は、精密検査や経過観察が必要になることがあります。異形成があるからといって、すぐにがんという意味ではありません。けれど、放置してよいサインでもありません。結果の意味がわからないときは、婦人科で説明を受けましょう。
「ワクチンを受けていないから、検診に行くのが怖い」と感じる人もいます。責められるために行く場所ではありません。検診は、今の状態を知るための入口です。過去の接種歴や性経験を恥じる必要はありません。医療者に伝える情報は、判断を正確にするためのものです。
HPVワクチンを受けても、すべての性感染症を防げるわけではありません。クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、B型肝炎、性器ヘルペスなどは、それぞれ予防や検査の考え方が必要です。妊娠を避けたい場合も、HPVワクチンは避妊にはなりません。
コンドームは、HPVを含む性感染症リスクを下げる助けになります。ただし、HPVはコンドームで覆われない皮膚や粘膜から感染する可能性もあります。そのため、コンドームだけで完全に防げるとは言えません。それでも、妊娠予防と性感染症予防の両面で重要な選択肢です。
新しいパートナーと関係を始めるときは、検査について話すことも大切です。性感染症検査は、相手を疑う行為ではありません。お互いの健康管理です。HPVについては、一般的な性感染症検査のように「陰性なら完全に安心」と単純に言えるものではありませんが、子宮頸がん検診やHPV検査が関わる場面があります。
ワクチン、コンドーム、検診、検査、同意の確認は、競合するものではありません。組み合わせるものです。どれか一つだけで安心を作るより、複数の対策を重ねるほうが現実的です。
- 母子健康手帳や接種済証で、過去のHPVワクチン接種歴を確認した。
- 定期接種、キャッチアップ、任意接種のどれに当たるか自治体に確認した。
- 公費か自費か、完了までの総額を医療機関に確認した。
- 何価のワクチンを使うか、何回接種が必要かを確認した。
- 妊娠中、妊娠の可能性、妊活予定、授乳中であることを医師に伝える準備がある。
- 強いアレルギー歴、過去のワクチン接種後の体調不良、持病、服薬を伝えられる。
- 接種後に体調が悪くなったときの連絡先を確認した。
- 子宮頸がん検診の対象年齢なら、検診予定も別に確認した。
- パートナーがいる場合、費用やスケジュールを共有できる範囲で共有した。
- 迷っている理由を紙やスマホに書き出し、医師に質問できるようにした。
チェックが全部埋まらなくても大丈夫です。むしろ、空欄があるところが相談ポイントです。医療機関では、「大人でも受ける意味がありますか」「私の場合は何回ですか」「費用はいくらですか」「検診を先に受けるべきですか」と、そのまま聞いて構いません。
受けられないわけではありません。定期接種の対象年齢を過ぎても、任意接種として接種できる場合があります。ただし、公費対象ではない場合は自己負担です。効果や費用を医療機関で相談して判断しましょう。
意味がゼロとは限りません。すでに感染した型には治療効果はありませんが、まだ感染していない型への予防効果は期待できます。ただし、性経験がない時期に受けるほうが効果は高いと考えられます。
必要です。HPVワクチンはすべての高リスク型HPVを防ぐわけではありません。ワクチンは予防、検診は早期発見です。20歳以上の女性は、自治体の検診案内を確認しましょう。
必ずしも最初からやり直す必要はありません。厚生労働省のQ&Aでも、規定の間隔から外れてしまった場合でも接種をやり直す必要はないとされています。接種記録を持って医療機関に相談してください。
完全な安心にはなりません。HPVは過去の感染や別の型も関係します。パートナーの接種は一つの予防策ですが、自分自身の検診、コンドーム、性感染症検査、体調変化への受診も大切です。
最初の相談先は、婦人科、産婦人科、小児科、内科、ワクチン外来などです。HPVワクチンを扱っているかどうかは医療機関で違います。予約前に、年齢、性別、希望するワクチン、過去の接種歴を伝えて確認しましょう。
公費や助成については、住んでいる市区町村の予防接種担当課が窓口です。定期接種の対象か。任意接種の助成があるか。接種券が必要か。転入した場合の扱いはどうか。自治体のページでわからないときは、電話や問い合わせフォームを使って構いません。
副反応や接種後の症状については、まず接種した医療機関に相談します。症状が続く場合は、地域の協力医療機関や都道府県の相談窓口につながることがあります。体調変化を「気のせい」と決めつけず、いつから、どんな症状が、どれくらい続くかをメモして伝えましょう。
性の健康全体で不安がある場合は、性感染症検査、避妊相談、子宮頸がん検診、月経や性交痛の相談も同時に考えてよいです。HPVワクチンの話をきっかけに、体のメンテナンス全体を見直すことは、とても自然なことです。
HPVワクチンは、早い時期に受けるほど効果が期待されるワクチンです。対象年齢の人は、期限を逃さないように早めに確認したほうがよいです。一方、大人の任意接種では、焦ってその場で決めるより、情報を整理して納得して決めることが大切です。
迷っているなら、まず接種歴を確認してください。次に自治体の制度を見ます。そのうえで、医療機関に相談します。子宮頸がん検診の対象なら、検診も予約します。この順番なら、何から始めればよいかが少し見えやすくなります。
HPVワクチンを受けるかどうかは、本人の意思に基づく選択です。受ける人も、受けない人も、責められる必要はありません。ただし、知らないまま機会を失うのはもったいないです。大人になってからでも、情報を取り直し、自分の体と未来の選択肢を守ることはできます。
パートナーがいる人は、一人で抱え込まなくて大丈夫です。費用、スケジュール、検診、コンドーム、性感染症検査について、短い言葉で共有してみましょう。「HPVワクチンについて調べている」「検診も受けようと思う」「一緒に性の健康を考えたい」。それだけでも、関係の安心は少し変わります。