HPVワクチンは大人でも受けられる?費用・効果と、子宮頸がん検診のこと
HPVワクチンは、定期接種の年齢を過ぎても、自費の任意接種として受けられます。キャッチアップ接種の経過措置が終わった2026年のいま、大人が受ける意味と限界、費用の目安、男性の接種、子宮頸がん検診とのちがいをまとめました。
対象年齢のころに、HPVワクチンを受けそびれた。キャッチアップ接種も終わってしまった。大人になった今からでも意味はあるのかな、と迷っていませんか。
HPVって、どんなウイルス?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性的な接触でうつる、ありふれたウイルスです。厚生労働省によると、子宮頸部の細胞に異常がない女性でも10〜20%ほどが感染していて、海外では、性行為の経験がある女性の50〜80%が一生のうちに一度は感染すると報告されています。
HPVに感染したら、がんになっちゃうの?
多くは、体の免疫の働きで自然に消えていきます。ただ、感染が長く続くと、がんになる前の変化が起きることがあるんです。だから、予防と検診の両方が大切なんですよ。
感染しても、約90%は2年以内に検査で見つからなくなります。いっぽうで、日本では子宮頸がんにかかる人が年間11,000人ほど(2021年)、亡くなる人が年間3,000人ほど(2024年)います。
2026年のいま、公費で受けられるのは?
- 定期接種:小学6年〜高校1年相当の女子が対象。2026年4月からは、9価ワクチン(シルガード9)だけになりました
- キャッチアップ接種:平成9〜20年度生まれの女性で、2022年4月〜2025年3月に1回以上受けた人は、残りを2026年3月31日まで公費で受けられました。この経過措置も終わっています
大人が受ける意味と、限界
9価ワクチンは、子宮頸がんの原因の80〜90%を防ぐとされています。ただ、大人が受けるときに知っておきたい限界もあります。
- ワクチンで、一度感染したHPVを消すことはできない
- ワクチンで、すべての感染を防げるわけではない
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、27〜45歳では、すでにHPVにふれている人が多いぶん、受けて得られる利益が若いころより小さいとしています。そのうえで、若いころに十分に受けていなかった人が、医師と話して受けると決めることもある、と案内しています。
接種の回数と費用
1回目を15歳になるまでに受けると2回、15歳になってから受けると3回です。3回のときは、標準的には1回目の2か月後と6か月後に受けます。途中で間があいてしまっても、最初からやり直す必要はないとされています。以前に2価や4価のワクチンで受け始めた人は、残りを9価で受けます。
費用は医療機関によって違います。参考までに、東京都は男性が受ける場合の3回の合計の目安を、4価で5〜6万円ほど、9価で8〜9万円ほどとしています。予約のときに、完了までの総額を聞いておくと安心です。
男性も受けられる
男性へのHPVワクチンは、4価(ガーダシル)に加えて、2025年8月からは9価(シルガード9)も承認されています。9価の男性への効能は、肛門がんとその前段階の病変、尖圭コンジローマの予防です。
男性は定期接種の対象ではないので、任意接種で費用は全額自己負担です。東京都のように、区市町村の費用助成を後押ししているところもあります。男性の定期接種化は国の審議会で検討されていますが、2026年9月の時点ではまだ決まっていません。
子宮頸がん検診は、ワクチンとは別に
ワクチンは「かからないようにする」もの、検診は「がんになる前の変化を早く見つける」ものです。国立がん研究センターは、HPVワクチンを受けた人も、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大事だとしています。
- 20歳から、2年に1度、子宮の入口の細胞を調べる検査(細胞診)
- 「HPV検査単独法」を取り入れている市区町村では、30歳以上は5年に1度(陰性の場合)
どちらの方法かは、住んでいる市区町村によって違います。月経以外の出血など気になる症状があるときは、検診を待たずに婦人科を受診してください。
妊娠中・妊娠を考えているとき
CDCは、妊娠中のHPVワクチン接種はすすめていません。妊娠している、またはその可能性があるときは、接種の前に必ず医師に伝えてください。3回接種は終わるまでに半年ほどかかるので、妊活の予定がある人は、スケジュールも一緒に相談しましょう。
接種後に気になる症状があったら
厚生労働省によると、接種したところの痛みは50%以上の人に、腫れ・赤み・頭痛は10〜50%未満の人に出ます。気になる症状が出たら、まずは接種した医療機関の医師に相談を。都道府県ごとに協力医療機関もあり、厚生労働省の感染症・予防接種相談窓口(0120-995-956、平日9〜17時)でも相談できます。
受診の目安
よくある疑問
質問:セックスの経験があっても、受ける意味はある?
すでに感染した型を消すことはできず、経験がある人ほど、受けて得られる利益は小さくなります。それでも、医師と話して受けると決める人もいます。これまでの接種歴や、これからのことをふまえて相談してみてください。
質問:1回だけ受けて、止まったままになっている。
間があいても、最初からやり直す必要はないとされています。母子健康手帳などで接種歴を確かめて、医療機関に「残りを受けたい」と相談してください。
質問:パートナーが受けていれば、自分は検診を受けなくていい?
検診は、自分の子宮頸部の状態を調べるものなので、パートナーの接種とは別です。20歳を過ぎたら、市区町村の検診を受けましょう。










