女性器のしくみ|外陰部・腟・子宮・卵巣の場所と役割、形の個人差
自分の体なのに、よく知らない。女性器の名前と場所、それぞれの役割を、外側(外陰部)と内側(腟・子宮・卵管・卵巣)に分けてまとめました。形や大きさの個人差、婦人科で症状を伝えるときの言葉、受診の目安も紹介します。
自分の体なのに、どこに何があるのか、じつはよく知らない。「外陰部」と「腟」の違いも、なんとなくしかわからない。そんな人は少なくありません。
外側:外陰部の名前と役割
外から見える部分をまとめて「外陰部」と呼びます。
| 名前 | 場所 | 役割 |
|---|---|---|
| 恥丘(ちきゅう) | いちばん上の、ふっくらした部分 | 脂肪組織で恥骨を覆う。思春期から毛が生える |
| 大陰唇(だいいんしん) | 外側のふくらみ | ほかの部分を囲んで守る |
| 小陰唇(しょういんしん) | 大陰唇のすぐ内側のひだ | 血管が多く、性的な刺激でふくらむ |
| クリトリス(陰核) | 小陰唇の上のほうが合わさるところ | 刺激にとても敏感な部分 |
| 尿道口 | クリトリスと腟口のあいだ | おしっこの出口 |
| 腟口 | 尿道口の下 | 腟の入口。経血の出口にもなる |
| 会陰(えいん) | 腟口と肛門のあいだ | 長さは2〜5cmほど |
腟口の近くには、刺激を受けると潤いを出す「バルトリン腺」もあります。大陰唇には、汗や皮脂を出す腺があります。
鏡で見てみたら、ネットで見る図と形が違って…。私、変なのかな。
変じゃありませんよ。小陰唇の大きさは、とても小さい人から、幅が5cmほどになる人までいるとされています。図は「だいたいの配置」だと思ってくださいね。
内側:腟・子宮・卵管・卵巣
| 名前 | 場所・大きさ | 役割 |
|---|---|---|
| 腟 | 腟口から奥へ続く、やわらかい管 | 経血の通り道、赤ちゃんが生まれてくる道、セックスで精子が通る道 |
| 子宮頸部 | 子宮のいちばん下。腟の奥につながる | 子宮の入口。精子の入口、経血の出口 |
| 子宮 | 骨盤の真ん中。前に膀胱、後ろに直腸 | 赤ちゃんが育つ場所 |
| 卵管 | 子宮の上の端から左右の卵巣のほうへ。長さ10〜13cmほど | 卵子を子宮へ運ぶ。受精が起こる場所 |
| 卵巣 | 子宮の左右。クルミくらいの大きさ | 卵子を育てて出す。女性ホルモンをつくる |
MSDマニュアルでは、成人の腟は10〜13cmほどの長さの、伸び縮みする管と説明されています。
経血とおしっこは、別の出口から
外陰部には、出口が3つあります。前から順に、おしっこが出る尿道口、経血が出てくる腟口、そして肛門です。
経血は、子宮の内側からはがれ落ちたものが、子宮の入口(子宮頸部)から腟を通って、腟口から出てきます。タンポンや月経カップを入れるのも腟口です。尿道口はとても小さく、腟口とは別なので、タンポンを入れていてもおしっこはできます。
「腟」と「外陰部」は、別の場所
日常会話では、外陰部のことも「腟」と呼んでしまいがちです。でも、洗い方を考えるときには、この違いが大切になります。
クリトリスは、見えている部分だけじゃない
MSDマニュアルでは、クリトリスは男性の陰茎にあたる器官で、性的な刺激に敏感で、刺激を受けると勃起する、と説明されています。外から見えるクリトリスは、ほんの一部です。体の中にも続いていて、腟のまわりを包むように広がっています。しくみは クリトリスとGスポットの記事 で紹介しています。
形・色・大きさは、人それぞれ
小陰唇の大きさや形、左右の差、色の濃さ、毛の生え方は、人によってかなり違います。「ほかの人と違う」だけなら、心配はいりません。気にしたいのは、前と比べて急に変わったことや、痛み・かゆみ・しこりなどの症状があるときです。
ライフステージで変わること
思春期には恥丘などに毛が生えはじめ、月経が始まります。妊娠・出産を経験することもあれば、閉経が近づいて女性ホルモンが減ると、腟が乾きやすくなり、セックスのときに痛みが出ることもあります。更年期の乾燥や痛みについては 更年期の「濡れない・痛い」の記事 にまとめています。
婦人科で症状を伝えるときの言葉
名前を知っておくと、受診のときに説明しやすくなります。
| 伝えたいこと | 伝え方の例 |
|---|---|
| 外側がかゆい、ヒリヒリする | 「外陰部がかゆいです」 |
| 入口のあたりが痛い | 「腟の入口あたりが、セックスのときに痛みます」 |
| 奥のほうが痛い | 「セックスのとき、奥のほうが痛みます」 |
| 下着に血がつく | 「生理ではないときに出血があります」 |
| ふくらみやしこりがある | 「腟口の近くに、腫れのようなものがあります」 |
いつから、どんなときに、どのくらい続いているかをメモしておくと、さらに伝わりやすくなります。
子宮頸部と、子宮頸がん検診
子宮頸がん検診では、子宮の入口(子宮頸部)の細胞をとって調べます。国立がん研究センターは、20歳から2年に1度、定期的に受けるよう案内しています。「HPV検査単独法」を取り入れている市区町村では、30歳以上は5年に1度の検査になります(陰性の場合)。HPVワクチンを受けた人も、検診は欠かせません。住んでいる市区町村の検診を確認してみてください。ワクチンについては HPVワクチンの記事 にまとめています。
受診の目安
よくある疑問
質問:自分の性器を鏡で見てもいい?
もちろん大丈夫です。ふだんの状態を知っておくと、変化に気づきやすくなります。明るい場所で、手鏡を使うと見やすいですよ。
質問:小陰唇が大きい、左右で形が違うのは変?
小陰唇の大きさや形は人によってかなり違い、左右差もよくあります。痛みやこすれなどで困っていなければ、心配はいりません。気になるときは婦人科で相談できます。
質問:腟の中も洗ったほうが清潔?
腟の中は洗わなくて大丈夫です。洗いすぎると、かえってかゆみやにおいの原因になることがあります。洗うのは外側の外陰部までにしましょう。










