生理前にイライラ・眠いのはホルモンのせい?エストロゲンとプロゲステロンの違い
生理前になるとイライラする、眠い、むくむ。その波には、2つの女性ホルモンが関わっています。エストロゲンとプロゲステロンの違い、生理周期での動き方、PMSとの関係、年齢による変化、婦人科に行く目安をまとめました。
生理前になると、ささいなことでイライラする。昼間でも眠い、顔や足がむくむ。「私、性格悪いのかな」と落ち込むこともありますよね。
女性ホルモンって、なに?
生理前だけ、自分が別人みたいにイライラしちゃうんです…。
それ、あなたの性格のせいではないかもしれません。体の中では、生理周期に合わせてホルモンが大きく動いているんです。
女性ホルモンは、おもに卵巣から出て、血液にのって全身に届くホルモンです。子宮だけでなく、肌や骨、血管、気分にも関わっています。
エストロゲンとプロゲステロン、何が違う?
厚生労働省の健康情報の講座(東京大学医学部附属病院 女性診療科の大須賀穣医師)では、2つのホルモンの働きを次のように紹介しています。
| 比べるところ | エストロゲン(卵胞ホルモン) | プロゲステロン(黄体ホルモン) |
|---|---|---|
| ひとことで | 妊娠の準備をする | 妊娠を成立させ、続けさせる |
| 子宮への働き | 受精卵が着床しやすいように、子宮内膜を厚くする | 子宮内膜をやわらかくする |
| ほかの働き | 卵胞を育てて排卵に備える。肌のツヤ、しなやかな血管、骨密度を保つ | 体温を上げる。乳腺を育てる |
| 増えるとき | 排卵の前にピーク | 排卵のあとにピーク |
プロゲステロンが増える時期には、むくみや食欲が増える、眠い、イライラするといったことが起こりやすくなる、とも説明されています。
生理周期で、ホルモンはどう動く?
生理周期は、ざっくり分けると次のように進みます。
- 生理(月経):子宮内膜がはがれて、出血する
- 生理が終わって排卵まで:エストロゲンが増えていき、排卵の前にピークになる
- 排卵:卵巣から卵子が出る
- 排卵から次の生理まで:プロゲステロンが増え、排卵のあとにピークになる。妊娠しなければ、2つのホルモンが減って次の生理が来る
プロゲステロンには体温を上げる働きがあるので、排卵のあとは基礎体温が高めになります。朝、目が覚めてすぐに婦人体温計で測って記録すると、自分の周期の流れが見えてきます。
生理前のイライラや眠気は、ホルモンのせい?
生理前の3〜10日くらいに続き、生理が始まると自然におさまっていく心と体の不調を、月経前症候群(PMS)といいます。日本産科婦人科学会によると、日本の女性の70〜80%が、生理前に何らかの不調を感じています。日常生活に困るほど重い人は5%ほどです。
原因ははっきりわかっていませんが、排卵のあとに増えたエストロゲンとプロゲステロンが、生理前に減っていく変化が関わっていると考えられています。おもな症状は次のとおりです。
- 心の症状:気分が不安定になる、イライラ、落ち込み、不安、眠れない、集中できない
- 体の症状:のぼせ、食べすぎ、めまい、だるさ、頭痛や腹痛、むくみ、胸の張り、便秘
「またイライラしてしまった」と自分を責めなくて大丈夫です。生理の周期や日数の目安は、私の生理って普通? にまとめています。
「ホルモンバランスを整える」って、できるの?
生活の中でできることとして、日本産科婦人科学会は、食物繊維やカルシウム、マグネシウム、ビタミンB6をとること、ストレスを減らすことをあげています。
つらさが強いときは、婦人科で治療を相談できます。
- 低用量ピル(排卵をおさえて、ホルモンの波を小さくする)
- SSRI(脳のセロトニンを増やす薬)
- 漢方薬
- 痛み止め、むくみをとる薬など、症状に合わせた薬
年齢とともに、どう変わる?
閉経をはさんだ更年期には、卵巣の働きがゆるやかに落ち、エストロゲンが減っていきます。厚生労働省の講座では、閉経のあとは骨粗しょう症や動脈硬化のリスクが上がることが知られている、と説明されています。
日本内分泌学会によると、エストロゲンは古い骨をこわす細胞と新しい骨をつくる細胞の両方に働いていて、閉経でエストロゲンが減ると骨がこわされるほうが進み、骨の量が減っていきます。予防には、適度な運動、カルシウムやビタミンD・ビタミンKをとること、日光を浴びることがすすめられています。
更年期の腟の乾燥や痛みについては、更年期の「濡れない・痛い」の記事 にまとめています。
受診の目安
よくある疑問
質問:基礎体温がガタガタで、高温期がよくわからない…
基礎体温は、毎朝ほぼ同じ時間に、目が覚めてすぐ、体を起こす前に測るのが基本です。寝不足やお酒、体調でもぶれるので、1日ずつより、グラフ全体の流れを見てください。
何か月つけても高い時期がはっきりしない、生理不順もある、というときは、排卵の状態を確かめるためにも婦人科で相談してみてください。
質問:低用量ピルを飲むと、ホルモンバランスがくずれる?
低用量ピルは、排卵をおさえてホルモンの波を小さくする薬で、PMSの治療にも使われています。ただし、血栓症など注意が必要な体質や持病もあるので、婦人科で相談してから始めましょう。ピルについては ピルとミレーナの記事 も参考にしてください。
質問:生理前だけ、ひどく落ち込むのもPMS?
生理前に気分の落ち込みやイライラがとくに強く、日常生活に大きく影響する状態は、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれることがあります。「生理が始まると楽になる」をくり返しているなら、記録をつけて、婦人科や心療内科で相談してください。










