ボディポジティブって?体型を好きになれなくても大丈夫な考え方
ボディポジティブは、自分の体を無理に好きになることではありません。体を責めすぎないための考え方です。ボディニュートラルとの違い、SNSとの距離のとり方、やせすぎが体に与える影響、相談したほうがいいサインをまとめました。
鏡を見るたびに、ため息が出る。SNSで見る体と比べて、落ちこんでしまう。「自分の体を好きになろう」と言われても、正直むずかしい…。そんな日はありませんか。
ボディイメージって?
アメリカ保健福祉省の女性の健康局は、ボディイメージを「自分の体について、どう考え、どう感じているか」と説明しています。自分の体を肯定的にとらえられている女性は、心の健康が良い傾向があり、うつや摂食障害のリスクも低いとしています。いっぽうで、自分の体を否定的にとらえる女性は少なくなく、それが心や体の不調につながりやすくなることもある、と伝えています。
体型が気になるのは、あなたの心が弱いからではありません。多くの人が抱えている悩みなのです。
ボディポジティブと、ボディニュートラル
| ボディポジティブ | ボディニュートラル | |
|---|---|---|
| 考え方 | 世の中の理想に関係なく、自分の体を受け入れ、肯定的にとらえる | 見た目を評価せず、体がしてくれていることに目を向ける |
| 心の声の例 | 「この体も、私の体として大切」 | 「今日も歩けた、眠れた、それで十分」 |
2025年に発表された研究では、この2つは重なる部分もありつつ、別の考え方だと整理されています。どちらも、自己肯定感などの心の状態と関係していました。
「自分の体を好きになろう」って言われるほど、しんどくなっちゃって…。
無理に好きにならなくていいんです。好きでも嫌いでもなく、「今日も1日よく動いてくれた」と思えれば、それも立派な一歩ですよ。
データで見る:若い女性の「やせ」
厚生労働省によると、2023年の国民健康・栄養調査で、BMIが18.5未満の「やせ」にあたる人は、女性全体で12.2%、20〜30歳代の女性では20.2%でした。5人に1人がやせにあたる計算です。
「もっとやせなきゃ」と感じている人の中には、すでに体に負担がかかっている人もいるかもしれません。
やせすぎが、体に与える影響
日本産科婦人科学会の資料によると、体重が十分でないと、脳は卵巣への指示をお休みし、女性ホルモンが減って月経が止まることがあります。女性ホルモンが少ない状態が続くと、寒がり、便秘、髪が抜けやすい、骨が弱くなって骨折しやすくなる、といった影響も出てきます。
骨への影響も見逃せません。学会の資料では、骨の量を増やせるのは成長期の思春期で、その後は横ばいになり、更年期以降に急に減るとしています。若いころのやせすぎは、将来の骨粗しょう症のリスクにつながります。
運動も、体を罰するためのものにしないことが大切です。食事でとるエネルギーに対して運動で使うエネルギーが多すぎると、やせていなくても月経が止まることがある、と学会の資料は説明しています。
今日からできること
- 見ると落ちこむSNSのアカウントは、ミュートやフォローを外していい
- 体の「できていること」をひとつ書き出す(歩けた、眠れた、笑えた)
- 自分の体にかける言葉を、友だちにかける言葉に置きかえてみる
- 人の体型や体重に、コメントしないと決める
パートナーの前で体を見られるのが恥ずかしい人は、明るい部屋が恥ずかしいときの記事 も読んでみてください。
摂食障害(摂食症)のサイン
日本産科婦人科学会の資料では、摂食障害を、極端な食事制限、むちゃ食い、自分で吐く、過剰な運動といった行動と、体の見え方のゆがみや、やせへの強いあこがれなどで説明しています。ダイエットだけでなく、胃腸炎や食欲不振をきっかけに、低体重から戻れなくなることでもなりうるそうです。
なる人の割合は100人に約3人とされ、将来、不妊症や骨粗しょう症などにつながることもあるため、できるだけ早い治療が大切です。
受診・相談の目安
よくある疑問
質問:自分の体を好きになれない私は、ダメ?
ダメではありません。好きになれない日があってもいいのです。見た目より体の働きに目を向けるボディニュートラルのように、自分に合う距離のとり方を探してみてください。
質問:ダイエットは、しないほうがいい?
健康のために体重を整えること自体が悪いわけではありません。ただ、生理が止まるほどの減量や、食べることへの強い罪悪感は、体と心のサインです。気になるときは、医師に相談してください。
質問:周りに「やせすぎ」と言われるけど、自分ではそう思えない。
学会の資料でも、低体重なのに自分ではその重さに気づきにくいことがある、とされています。月経が来ない、疲れやすいなどの変化があるなら、一度受診してみてください。
参考にした情報
- Office on Women's Health: Body image and mental health
- Lipińska A. Relationship between body positivity and body neutrality with body image, self-esteem, mindfulness and gratitude. Sci Rep. 2025(PubMed)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 若い女性の「やせ」と健康・栄養問題
- 日本産科婦人科学会: やせと無月経① 体重減少性無月経とは(PDF)
- 日本産科婦人科学会: やせと無月経② 運動による月経不順(PDF)
- 日本産科婦人科学会: やせと無月経④ 将来への影響(PDF)
- 日本産科婦人科学会: やせと無月経⑤ 摂食障害(摂食症)とは(PDF)
- 摂食障害全国支援センター: 摂食障害情報ポータルサイト










