避妊の方法を比較|日本で選べる方法と失敗率、続けやすさの違い
避妊の方法は、確実さだけでなく、続けやすさや費用、性感染症を防げるかでも選び方が変わります。日本で選べる方法を失敗率つきで比べ、頼らないほうがいい方法、失敗したときの緊急避妊、ふたりで決めるときのポイントまでまとめました。
ちゃんと避妊したい。でも、ピル、ミレーナ、コンドーム…と調べるほど、どれが自分たちに合うのかわからなくなる。数字もいろいろ出てきて、かえって不安になっていませんか。
日本で選べる避妊の方法
| 方法 | どんなもの | 始め方 |
|---|---|---|
| コンドーム | ペニスにつけて、精子が腟に入るのを防ぐ | ドラッグストアや通販で買える |
| 低用量ピル(OC) | 女性ホルモンの入った錠剤を毎日1錠飲む | 婦人科で処方してもらう |
| 黄体ホルモンだけのピル | エストロゲンを含まない錠剤を毎日1錠飲む | 婦人科で処方してもらう |
| ミレーナ(子宮内システム) | 子宮に入れた器具から黄体ホルモンを少しずつ出す | 婦人科で入れてもらう。5年を超えないうちに交換 |
| 不妊手術 | 卵管や精管の通り道をふさぐ手術 | 法律で受けられる条件が決まっている |
| 緊急避妊薬 | 避妊に失敗したあとに飲む薬 | 性交後72時間以内。薬局か婦人科で |
黄体ホルモンだけのピルは、2025年6月に国内で初めて発売された「スリンダ」です。エストロゲンが入っていないので、低用量ピルとは使える人の条件が違うことがあります。
失敗率で比べると
「1年間使ったときに、何%の人が妊娠するか」で比べたのが次の表です。
| 方法 | 1年間の失敗率 |
|---|---|
| コンドーム | 2〜13% |
| 低用量ピル | 0.3〜7% |
| ミレーナなどの子宮内システム | 0.3〜0.4% |
| 女性の不妊手術 | 0.5% |
| 男性の不妊手術 | 0.1〜0.15% |
出典:第一三共ヘルスケア「ノルレボ 使用者向医薬品ガイド」(元の数字は Contraceptive Technology 第22版、2023年)
数字に幅があるのは、「正しく使えたとき」と「飲み忘れや付け方のミスも含めた、実際の使い方」で差が出るからです。毎日飲む、毎回つける、といった人の手間がいる方法ほど、幅が大きくなります。
コンドームの13%って、けっこう高くない?
13%は、途中からつけた、外れた、といった実際のミスも含めた数字なんです。最初から最後まで正しく使えれば、2%まで下がるとされていますよ。
それぞれの特徴
コンドーム
薬局やコンビニで買えて、使いたいときだけ使えます。性感染症を防ぐのに役立つのも大きな特徴です。そのぶん、毎回、最初から最後まで正しく使うことが大切です。選び方と付け方は コンドームの選び方 にまとめています。
低用量ピル
正しく飲めていれば確実さの高い方法ですが、「毎日飲めるかどうか」がそのまま効果に響きます。35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人や、前ぶれのある片頭痛がある人などは使えません。生理痛の治療に使う「LEP」は、成分は似ていても治療のための薬で、避妊を目的にしたものではありません。
飲み忘れたときの対処は ピルの飲み忘れの記事、体重が気になる人は ピルで太るって本当? も読んでみてください。
ミレーナ
一度入れれば、毎日の手間がありません。過多月経や月経困難症の治療にも使われる器具です。入れるときに痛みがあることや、入れたあとしばらく不正出血が続くことがあります。ピルとの違いは ピルとミレーナの比較 にまとめています。
不妊手術
確実さは高いものの、元に戻すことを前提にした方法ではありません。日本では母体保護法で、妊娠や出産が命に危険を及ぼすおそれがある、すでに数人の子どもがいて出産のたびに健康が大きく損なわれるおそれがある、といった条件と、配偶者がいる場合はその同意が決められています。
頼らないほうがいい方法
生理周期やアプリで「安全日」を読む方法も、それだけに頼るのは不安が残ります。同じ指針は、精子が生きている期間を考えると、妊娠する可能性がある日は1周期に6日間あり、避妊しないセックスのあとに「妊娠の心配がない」と言える時期はほとんどない、としています。生理不順のときや、前の生理日がはっきりしないときはなおさらです。
性感染症も防ぐなら、コンドームを組み合わせる
ピル、ミレーナ、不妊手術、緊急避妊薬は、どれも性感染症を防げません。WHO(世界保健機関)は、コンドームを毎回正しく使うと、腟・口・肛門のどのセックスでも、多くの性感染症にかかるリスクを大きく下げられるとしています。
新しいパートナーとのときや、検査をしたことがわからない相手のときは、ほかの方法を使っていてもコンドームを一緒に。検査のことは 性感染症の検査の記事 にまとめています。
失敗したときは:緊急避妊薬
コンドームが破れた、外れた、避妊しなかった。そんなときは、性交後72時間以内に緊急避妊薬を1錠飲みます。早いほど確実です。2026年2月からは、一部の薬局でも処方箋なしで買えるようになりました。
ただし100%ではなく、国内の試験で妊娠を防げた割合(妊娠阻止率)は81%でした。飲んだあとは、生理がくるか、予定より7日以上遅れていないかを確かめてください。買える場所や流れは アフターピルの記事 にまとめています。
ふたりで決めるときのポイント
| こんなとき | 候補 |
|---|---|
| 毎日飲むのが苦にならない、やめどきを自分で決めたい | 低用量ピル |
| 飲み忘れが心配、数年は妊娠の予定がない | ミレーナ |
| 性感染症も心配、新しいパートナーがいる | コンドーム(ほかの方法と組み合わせる) |
| エストロゲンの入った薬が使えないと言われた | 黄体ホルモンだけのピルやミレーナを医師と相談 |
「コンドームなしでもいいよね?」と言われても、断っていいのです。伝え方に迷ったら 同意の確かめ方と、してほしいことの伝え方 も参考にしてください。
受診の目安
よくある疑問
質問:ピルを飲んでいれば、コンドームはいらない?
妊娠を防ぐ確実さは、正しく飲めていれば高い方法です。ただ、ピルは性感染症を防げません。新しいパートナーとのときや、感染の心配があるときは、コンドームも一緒に使いましょう。
質問:生理中なら、避妊しなくても大丈夫?
日本産科婦人科学会の指針は、避妊しないセックスのあとに「妊娠の心配がない」と言える時期はほとんどない、としています。生理中でも、避妊はしてください。
質問:避妊の話を、どう切り出せばいい?
「ちゃんと避妊したいから、一緒に考えたい」と、自分の希望として伝えるのがおすすめです。セックスの最中より、落ち着いているときのほうが話しやすくなります。










