セックスが痛いのは普通?入口・奥の痛み別の原因と受診の目安
セックスのたびに痛いけれど、言い出せない。そんな悩みは珍しくありません。痛むのが入口か奥かで、考えられる原因は変わります。潤滑ゼリーでできること、パートナーへの伝え方、婦人科に行く目安をまとめました。
入れるときにヒリヒリする、奥に響く、終わったあともズキズキする。痛いけれど雰囲気を壊したくなくて、つい我慢してしまう人は少なくありません。
痛いのって、私だけ?
痛いなんて言ったら、雰囲気を壊しちゃいそうで…。
そう思って我慢してしまう人は多いんです。でも、痛いのはあなただけではありません。言っていいことですよ。
日本産婦人科医会も、性交痛は多くの人が悩んでいるのに、なかなか口に出せない問題だとしています。
痛みを我慢して続けると、次のときに「また痛いかも」と体がこわばり、さらに痛くなる、という悪循環に入りやすくなります。
どこが痛い?場所で原因の見当をつける
痛む場所によって、考えられる原因がある程度分かれます。自分で診断はできませんが、婦人科で話すときの手がかりになります。
| 痛む場所 | 感じ方の例 | 考えられること |
|---|---|---|
| 入口 | ヒリヒリする、しみる、こすれる、入り口で止まる | 潤いが足りない、カンジダなどの感染、外陰部のかぶれ、産後の傷、緊張によるこわばり |
| 奥 | 突かれると下腹部に響く、姿勢で痛みが変わる | 子宮内膜症、性感染症の進行、子宮や卵巣の病気 |
| 終わったあと | ヒリヒリが翌日まで残る、トイレでしみる | こすれてできた小さな傷、炎症、感染 |
入口が痛いときに多いこと
いちばんよくあるのは、潤いが足りずに摩擦が増えることです。「感じていないから濡れない」とは限りません。疲れや緊張、授乳中や更年期のホルモンの変化、飲んでいる薬などでも潤いは減ります。詳しくは 「濡れない」についての記事 にまとめています。
ほかにも、次のようなことが入口の痛みにつながります。
- カンジダや性感染症などの感染:かゆみ、おりものの変化、トイレでしみる、などを伴うことがある
- 外陰部のかぶれ:香りの強いソープ、ナプキンやライナーのこすれ、合わない潤滑剤やコンドーム
- 産後の傷あと:会陰切開や裂けた傷のあと。授乳中の乾燥も重なりやすい
- 体のこわばり:一度痛かった記憶で、入口まわりの筋肉が無意識に締まる
奥が痛いときに考えたいこと
奥の痛みは、潤滑ゼリーだけでは解決しないことが多いです。
日本産科婦人科学会によると、子宮内膜症では、月経痛のほかに、生理ではないときの下腹部や腰の痛み、排便やセックスのときの痛みが出ることがあります。生理痛が重い人で、奥に響く痛みもあるなら、一度相談してほしいサインです。
性感染症も見落とせません。厚生労働省は、性器クラミジア感染症について、女性は症状をほとんど自覚しないことが多く、進行すると不正出血や性交時の痛み、不妊の原因になることもあるとしています。新しいパートナーができた、コンドームを使わなかったことがある、という人は 性感染症の検査についての記事 も読んでみてください。
子宮筋腫や卵巣のう腫など、子宮や卵巣の病気で奥に当たる痛みが出ることもあります。深く入りにくい姿勢にすると楽になる場合もありますが、毎回痛いなら、原因を調べるのが先です。
心の緊張も、痛みの原因になる?
なります。一度痛い思いをすると、次は始まる前から体がこわばります。こわばると入口がきつくなり、また痛い。この繰り返しで、痛みが強くなることがあります。
日本産婦人科医会は、性交痛の背景に、過去の性被害の経験、妊娠・出産のときのトラブル、パートナーとの関係といった心の問題がある場合は、カウンセリングが必要だとしています。「気持ちの問題だから我慢する」のではなく、心の面も相談していいことです。
潤滑ゼリーで、どこまで楽になる?
乾燥や摩擦が原因の痛みなら、潤滑ゼリーで楽になることがあります。
潤滑剤には、水溶性・シリコン系・オイル系があります。はじめてなら、洗い流しやすい水溶性が使いやすいでしょう。
種類ごとの違いは ローションの選び方 で詳しく紹介しています。
ただし、潤滑ゼリーは痛みの原因を治すものではありません。使っても痛いなら、ほかの原因が隠れているかもしれません。
潤滑ゼリーのほかに、できることは?
- 時間をかける:急がずに、体がリラックスするまで待つ。挿入の前のふれあいを長めにする
- 深さを自分で決められる姿勢にする:奥が痛い人は、深く入りにくい姿勢のほうが楽なことがある
- 疲れている日や、前回の痛みが残っている日はしない
- 洗いすぎない:腟の中は洗わない。外陰部はぬるま湯でやさしく洗う
- 痛みのメモをつける:どこが、いつから、どんなふうに痛いか。生理との関係や、出血・おりものの変化も
パートナーには、どう伝える?
最中に言うのが難しければ、ふだんの落ち着いた時間に話しましょう。伝えることは短くて大丈夫です。
- 「最近、入れるときに痛いことがあるの。あなたが嫌だからじゃないよ」
- 「痛くない方法を一緒に探したい。今日は挿入なしにしてもいい?」
- 「痛いって言ったら、すぐ止めてほしい」
潤滑ゼリーを使いたいと伝えるときは、「痛くないほうが集中できるから」と理由を添えると、「魅力が足りないってこと?」という誤解を防げます。
痛いと言っても止めてくれない、潤滑ゼリーやコンドームを嫌がる、という相手なら、体のケアより先に、その関係が安全かどうかを考えてみてください。
痛みがある間も、ふれあいをゼロにする必要はありません。キスやハグ、マッサージなど、痛くないふれあいを選べます。
婦人科に行く目安は?
婦人科では、痛む場所、いつからか、出血やおりもの、生理との関係、飲んでいる薬などを聞かれます。口で言いにくければ、さっきのメモを見せても大丈夫です。内診が怖いときは、最初に「痛みがあるので内診が不安です」と伝えましょう。
よくある疑問
質問:濡れているのに痛いのはなぜ?
潤いだけでは説明できない原因があるからです。感染症、外陰部のかぶれ、体のこわばり、子宮内膜症などが関わっていることもあります。濡れているかどうかだけで判断せず、続くなら相談してください。
質問:我慢して続ければ、慣れる?
おすすめしません。痛みを我慢すると、小さな傷や体のこわばり、「また痛いかも」という怖さが強くなることがあります。
痛いときは止める、休む、方法を変える、原因を調べる、の順番で考えましょう。
質問:更年期に入ってから痛くなったのは、年齢のせい?
日本産婦人科医会によると、女性ホルモンが減ると腟の粘膜が萎縮して、摩擦に耐えにくくなり、痛みが出ることがあります。潤滑ゼリーやホルモン補充療法が助けになる場合があるので、婦人科で相談してみてください。










