パートナーの性癖を受け入れられない…断っていい?境界線の決め方と話し合い方
パートナーから、自分にはついていけない性的な好みを打ち明けられた。受け入れないと嫌われる? 断ってもいいのです。性的な好みの違いの考え方、自分の境界線の整理のしかた、話し合いのコツ、危険なサインと相談先をまとめました。
パートナーから、自分にはちょっとついていけない性的な好みを打ち明けられた。断ったら嫌われるかもしれない。でも、正直、受け入れられない…。そんなふうに悩んでいませんか。
好みの違いは、よくあること
MSDマニュアルは、大人の性的な関係や空想に、ある程度の個人差があるのはごく普通のことで、人は合意のもと、愛情のある関係の一部として、害にならない一風変わった性行動をとることもある、としています。
いっぽうで、本人が強く苦しんでいたり、生活に支障が出ていたり、ほかの人に危害を及ぼしたりしているものは「パラフィリア症」として、治療の対象になることがあります。そうした場合、パートナーは、自分が物のように扱われている、関係の中で自分は大切にされていない、と感じることもある、とされています。
打ち明けてくれたのに、受け入れられない私って冷たいのかな…。
冷たくなんてありませんよ。相手の好みを尊重することと、自分がそれをすることは別の話なんです。「話してくれてありがとう。でも、私はそれはできない」と伝えていいんですよ。
話す前に、自分の線を整理する
いきなり答えを出さなくて大丈夫です。まずは自分の中で、次の3つに分けてみましょう。
| 分け方 | 例 |
|---|---|
| してもいい | 話を聞くこと、言葉で盛り上げること |
| 条件つきなら試せる | 痛くないなら、途中でやめられるなら、など |
| しない | 痛みやけがを伴うこと、撮影、ほかの人を巻きこむこと、など |
整理するときは、「相手に悪いから」ではなく、「自分がどう感じるか」を基準にしてください。気持ち悪い、こわい、痛そう、と感じるなら、それは大事なサインです。反対に、少し興味がある、と感じるなら、それもあなたの本音です。
「条件つき」に入るものがあっても、試すかどうかはあなたが決めることです。一度「いいよ」と言っても、あとから「やっぱりやめたい」と言ってかまいません。
試してみるなら、条件を先に決める
「条件つきなら試せる」ものがあるなら、始める前に、ふたりで条件をはっきり決めておきましょう。
- 痛いこと、けがをするおそれのあることはしない
- 「やめて」の合図(言葉やしぐさ)を決め、合図があったらすぐにやめる
- 撮影や録音はしない
- お酒に酔っているときや、疲れているときはしない
- 終わったあとに、どうだったかを話す時間をもつ
法務省によると、お酒や薬の影響で「嫌だ」と言えない状態を利用した性行為も、不同意性交等罪にあたりえます。酔っているときに新しいことを試すのは避けましょう。
話し合いのコツ
- 行為の直前や最中ではなく、落ち着いているときに話す
- 相手の好みそのものを笑ったり、責めたりしない
- 「あなたが変」ではなく「私はこう感じる」と、自分を主語にして伝える
- 試すなら、やめたいときの合図を先に決めておく
話し合いのあとは、相手も「打ち明けて大丈夫だったかな」と不安になっていることがあります。受け入れられないことを伝えたあとも、「話してくれて信頼されてるって感じた」など、関係そのものは大切に思っていることを言葉にすると、すれ違いにくくなります。
伝え方の例は 同意の確かめ方と、してほしいことの伝え方 や 「今日はしない」のやさしい伝え方 にもまとめています。
それは「好み」ではなく、危険なサインかも
次のようなことがあるなら、好みの違いの問題ではありません。
- 断ると不機嫌になる、怒る、別れをちらつかせる
- 酔っているときや眠っているときなど、断れない状況でされる
- 痛みやけがを伴うことを、やめてくれない
- 同意なく撮影される、画像を広めると言われる
WHO(世界保健機関)も、性の健康には、強制や差別、暴力のない、心地よく安全な性の体験ができることが含まれるとしています。
相談できる場所
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891):パートナーからの望まない性行為も相談できます
- DV相談ナビ(#8008):近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります
どちらも、自分が被害にあっているのかわからない、という段階でも相談できます。
受診・相談の目安
よくある疑問
質問:一度受け入れたことを、次から断ってもいい?
もちろんです。同意は、そのたびに確かめるものです。前にしたことがあっても、今日したくないなら断っていいのです。
質問:好みが合わないのは、別れる理由になる?
好みの違いだけで、すぐに別れる必要はありません。ただ、断ると責められる、無理にさせられるなど、あなたの気持ちが大切にされていないと感じるなら、関係そのものを考え直すきっかけにしてもいいのです。
質問:パートナーが、自分の好みのことで悩んでいるみたい。
本人が強く苦しんでいたり、生活に支障が出ていたりするなら、心療内科や精神科で相談できます。責めずに「ひとりで抱えなくていいよ」と伝えてみてください。










