ピルとミレーナ、どっちがいい?続けやすさ・生理痛・副作用で比べる
毎日飲む低用量ピルと、子宮に入れておくミレーナ。どちらも避妊の確実さは高いけれど、続けやすさや生理への影響、使えない人の条件が違います。飲み忘れたときの対処や、受診したほうがいいサインもまとめました。
ちゃんと避妊したい。ついでに生理痛や経血の多さもどうにかしたい。そう思って調べると出てくるのが、低用量ピルとミレーナ。どっちが自分に合うのか、迷いますよね。
そもそも、どう違うの?
低用量ピルは、女性ホルモン(エストロゲンと黄体ホルモン)が入った錠剤を毎日1錠飲む方法です。ミレーナは、子宮の中に入れておく小さな器具で、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を子宮の中に少しずつ出し続けます。
| 比べるポイント | 低用量ピル | ミレーナ |
|---|---|---|
| 使い方 | 毎日1錠飲む | 婦人科で子宮に入れる |
| 続く期間 | 飲んでいるあいだ | 入れてから5年を超えないうちに取り出すか交換 |
| 入っているホルモン | エストロゲン+黄体ホルモン | 黄体ホルモンのみ |
| やめたいとき | 自分で飲むのをやめられる | 婦人科で取り出してもらう |
| 性感染症 | 防げない | 防げない |
避妊を目的にした低用量ピルは「OC」、生理痛(月経困難症)や子宮内膜症の治療を目的にしたものは「LEP」と呼び分けられています。成分は似ていますが、LEPは治療薬として保険で処方されます。
避妊の確実さは、どれくらい違う?
1年間使ったときに妊娠する割合は、低用量ピルで0.3〜7%、ミレーナなどの子宮内システムで0.3〜0.4%とされています。ちなみにコンドームは2〜13%です。
ピルの数字に幅があるのは、正しく飲めたときと、飲み忘れなどを含めた実際の使い方とで差が出るから。ピルは飲めていれば確実さが高い方法ですが、「毎日飲めるかどうか」がそのまま効果に響きます。ミレーナは入れておけば飲み忘れがないので、数字のぶれが小さいのです。
ピルを飲み忘れたら?
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、次のように対処するとしています。
- 1錠忘れた:気づいた時点ですぐ1錠飲み、残りはいつもどおり飲む
- 2錠以上忘れた:いちばん最近の1錠をすぐ飲み、残りはいつもどおり。7錠続けて飲めるまでは、コンドームを使うかセックスを控える
シートの最初のほうで飲み忘れて、その前後にセックスをしていた場合は、緊急避妊を考えたほうがいいこともあります。迷ったら処方してもらった医療機関に相談を。緊急避妊については アフターピルの記事 にまとめています。
毎日同じ時間に飲むの、正直ちょっと自信ないかも…。
スマホのアラームをかける、歯みがきのついでに飲むと決めておく、といった工夫があります。それでも不安なら、飲み忘れのないミレーナを候補に入れてみてもいいかもしれません。
生理痛や経血の多さがつらいなら?
低用量ピルには、生理痛を軽くしたり、経血量を減らしたりする働きがあります。ミレーナも、避妊のほかに「過多月経(経血が多すぎる)」と「月経困難症(生理痛がひどい)」への効果が認められている器具です。
ただ、生理痛がひどいときは、子宮内膜症などの病気が隠れていることもあります。どちらを選ぶにしても、まず婦人科で原因を調べてもらうのが先です。
費用は、避妊が目的か、生理痛や経血量の治療が目的かで変わることがあります。予約のときに「避妊目的だと、全部でいくらかかりますか」と聞いておくと安心です。
気をつけたい副作用は?
ピルの場合
飲み始めのころは、吐き気や頭痛、生理ではない出血(不正出血)が起こることがあります。不正出血は飲んでいる人の2割ほどが経験しますが、続けるうちに減っていくことが多いとされています。
いちばん気をつけたいのは血栓症(血管の中で血のかたまりができること)です。ピルを飲んでいない人では1万人あたり年1〜5人ほどのところ、飲んでいる人では3〜9人ほどに増えるとされています。数としては多くありませんが、次のサインは覚えておいてください。
- 激しい腹痛
- 胸の痛み、息苦しさ
- 激しい頭痛
- 見えにくい、舌がもつれる
- ふくらはぎの痛み、むくみ
こうした症状が出たら、飲むのをやめて、すぐ処方してもらった医療機関か救急を受診してください。ほかの科にかかるときは、ピルを飲んでいることを必ず伝えましょう。
ミレーナの場合
入れるときや取り出すときに、痛みや出血をともなうことがあります。まれに、気分が悪くなって気が遠くなることもあります。入れたあとは、不正出血や生理の日数・周期の変化がよくみられます。
ほかに、自然に抜けてしまうことや、子宮の壁を傷つけることもあり得ます。入れてから3か月以内、1年後、その後も少なくとも年1回は受診して、状態を確かめてもらいます。
ピルやミレーナが使えない人もいる
ピルは、次のような人は使えません。
- 35歳以上で、1日15本以上たばこを吸う
- 前ぶれ(目の前がチカチカするなど)のある片頭痛がある
- 血栓症や、脳・心臓の血管の病気になったことがある
- 重い高血圧がある
40歳以上の人や、たばこを吸う人、肥満(BMI30以上)の人なども、慎重に判断されます。
ミレーナは、妊娠している(可能性がある)とき、性器に感染症があるとき、原因のわからない不正出血があるとき、子宮の形に異常があるときなどは使えません。
ピルが合わなかったり使えなかったりしても、失敗ではありません。体質と暮らしに合う方法を、医師と一緒に選べば大丈夫です。
結局、どっちが向いている?
| こんな人は | 候補 |
|---|---|
| 毎日飲むのが苦にならない、やめどきを自分で決めたい | 低用量ピル |
| 飲み忘れが心配、数年は妊娠の予定がない | ミレーナ |
| エストロゲンが入った薬が使えない | ミレーナを含め、ほかの方法を医師と相談 |
| 性感染症も心配 | どちらを選んでも、コンドームを一緒に使う |
避妊は、ふたりのことです。ピルやミレーナは女性の体で使う方法だからこそ、費用や通院をひとりで背負わなくていいように、パートナーとも話してみてください。ほかの避妊法も含めた比べ方は 避妊方法の比較の記事 にまとめています。
受診の目安
よくある疑問
ピルで太るって本当?
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、ピルと体重増加のあいだに因果関係はないとしています。気分の落ち込みについても、ピルが原因とは言えないとされています。気になる変化があれば、処方医に相談してみてください。
ピルをやめたら、すぐ妊娠できる?
長く飲んでいても、やめたあとの妊娠しやすさには影響しないとされています。やめてから3か月以内に、9割ほどの人で排卵が戻ります。
ミレーナを入れたら、コンドームはいらない?
妊娠を防ぐ確実さは、ミレーナだけでも高い方法です。ただ、ミレーナは性感染症を防げません。新しいパートナーとのときや、感染の心配があるときは、コンドームも一緒に使いましょう。










