乳酸菌サプリで、デリケートゾーンのにおい・かゆみは防げる?わかっていることと選び方
「飲むフェムケア」として見かける乳酸菌サプリ。デリケートゾーンのにおいやかゆみを防げるのか、研究でわかっていること・わかっていないこと、機能性表示食品の見方、飲む前の注意、サプリより先に見直したいことをまとめました。
においやかゆみが気になる日が続くと、「飲むだけでケアできるなら」と、乳酸菌のサプリが気になりますよね。
この記事は2026年10月時点の情報です。
腟の中の乳酸菌って?
腟の中には、ふだん乳酸菌の仲間が多くすんでいて、腟の中を弱い酸性に保つのに役立っていると考えられています。おりものも、腟の中を酸性にして、細菌などが入りこむのを防ぐ「自浄作用」の役割をしています。
このバランスは、次のようなことで変わることがあります。
- 抗菌薬(抗生物質)を飲む
- 腟の中を洗う、香りの強いソープを使う
- 生理や妊娠、更年期などのホルモンの変化
バランスが崩れると、カンジダ(カビの一種)が増えてかゆくなったり、細菌性腟症で生臭いにおいがしたりすることがあります。
乳酸菌を飲めば、腟の乳酸菌も増えるってこと?
そう思いたくなりますよね。でも、飲んだ乳酸菌が腟の環境にどう影響するのかは、まだ研究の途中なんです。わかっていることを順に見ていきましょう。
乳酸菌サプリで、何がわかっている?
カンジダ:薬と一緒なら、短いあいだは差が出た
2017年のコクランのレビュー(研究のまとめ)では、10の研究(1,656人)を調べています。どの研究も、乳酸菌は、カンジダの薬に上乗せして使われていました。
- 薬だけのときより、短いあいだで治る人が増え、1か月後の再発も減った
- ただし、1〜3か月後に治っている人の割合には差がなかった
- 証拠の確かさは「低い」〜「とても低い」
抗菌薬のあとのカンジダ:予防はできなかった
2004年にオーストラリアで行われた試験では、抗菌薬を飲む女性に、乳酸菌を飲む・腟に入れる(または両方)・偽薬のどれかを使ってもらい、235人の結果を比べました。どちらの方法でも、抗菌薬のあとのカンジダなどを防ぐ効果は見られませんでした。
細菌性腟症:すすめるにも、すすめないにも根拠が足りない
細菌性腟症の治療についてのコクランのレビューは、乳酸菌をすすめるにも、すすめないにも、十分な根拠がないとしています。
「腟内環境を整える」と書かれたサプリもある
機能性表示食品などではない、いわゆる健康食品の乳酸菌サプリは、病気を治す・防ぐといった、薬のような効き目を表示したり広告したりすることができません。
いっぽう、「機能性表示食品」には、届け出た範囲で体の調子についての働きを書くことができます。たとえば、TENGA ヘルスケアが2023年に発売した「YoniFlora(ヨニフローラ)」は、2種類の乳酸菌について「膣内環境を良好にし、膣内の調子を整える機能が報告されている」と表示しています。
アメリカの国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、重い病気の人や免疫が弱っている人では、乳酸菌などのサプリで害が出るリスクが高くなるとしています。また、ラベルに書かれていない菌が入っていた製品も報告されている、としています。
サプリより先に見直したいこと
イギリスの国民保健サービス(NHS)は、カンジダや細菌性腟症を防ぐために、次のことをすすめています。
- 外側をぬるま湯で洗う。石けんを使うなら香りのないマイルドなものを。香りつきのソープや泡風呂は避ける
- 腟の中は洗わない。デリケートゾーン用のデオドラントも使わない
- 洗ったら、しっかり乾かす
- 綿の下着を選び、きつい下着やタイツは避ける
洗い方は デリケートゾーンの洗い方、においのケアは ドラッグストアのケア用品でできること にまとめています。
カンジダを繰り返すとき
以前に医師から腟カンジダと診断されたことがある人は、再発のときに使える薬(第1類医薬品)を薬局で買えます。ただし、初めての人、15歳未満か60歳以上の人、妊娠中の人、糖尿病の人、1〜2か月に1回や6か月以内に2回以上と、頻繁に繰り返している人は使えません。3日使っても良くならない、6日使っても治らないときは受診してください。
受診の目安
よくある疑問
質問:ヨーグルトを食べるのでもいい?
食事として食べるのはかまいませんが、それでにおいやかゆみを防げるかは、はっきりしていません。ヨーグルトを腟に入れたり、塗ったりするのはやめましょう。
質問:抗菌薬を飲むとき、乳酸菌サプリも飲んだほうがいい?
抗菌薬はカンジダのきっかけになることがありますが、乳酸菌で防げたという結果は出ていません。抗菌薬のたびにカンジダになる人は、処方してもらう医師に相談してください。
質問:妊娠中でも飲める?
妊娠中は、飲む前にかかりつけの医師に相談を。妊娠中のカンジダには、薬局で買える再発治療薬は使えないので、かゆみやおりものの変化があれば受診してください。
参考にした情報
- Xie HY, et al. Probiotics for vulvovaginal candidiasis in non-pregnant women. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2017
- Senok AC, et al. Probiotics for the treatment of bacterial vaginosis. Cochrane Database of Systematic Reviews
- Pirotta M, et al. Effect of lactobacillus in preventing post-antibiotic vulvovaginal candidiasis: a randomised controlled trial. BMJ. 2004;329:548
- NCCIH: Probiotics: What You Need To Know
- NHS: Thrush in men and women
- NHS: Bacterial vaginosis
- Cleveland Clinic: Vaginal pH
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省事業): おりもの・かゆみ
- 消費者庁: 機能性表示食品について
- 愛知県: いわゆる健康食品の広告・販売について
- TENGA ヘルスケア: 膣内環境をケアする乳酸菌サプリメント「YoniFlora」発売(2023年・PDF)
- PMDA: シュトガード腟カンジダ坐剤 添付文書(PDF)










