マルチオーガズムってなに?続けてイける人・イけない人がいる理由と、試すときのコツ
一度イったあと、続けてもう一度。マルチオーガズムは女性に起こりうるものですが、経験する人はそう多くありません。研究でわかっていること、イったあとに敏感になりすぎるときの工夫、呼吸と骨盤底筋トレーニングのこと、できなくても気にしなくていい理由をまとめました。
一度イったら、もう終わり。でも「女性は何回も続けてイける」と聞くと、私はできないのかな…と気になりますよね。
マルチオーガズムって、どういうこと?
国際性機能学会(ISSM)は、マルチオーガズムを「1回の性的な時間のなかで、2回以上オーガズムに達すること」と説明しています。ただ、間をあけずに続けて来るものだけを指す人もいれば、少し休んで数分後にもう一度、というものも含める人もいて、決まった定義はありません。
男性は、射精のあとしばらく、もう一度オーガズムに達することができない時間(不応期)があるのがふつうです。アメリカのクリーブランド・クリニックは、女性のなかには、刺激を続けるとまたオーガズムの段階に戻り、続けてオーガズムを感じる人もいるとしています。
どれくらいの人が経験している?
ISSM は、「多くの女性に続けてイく力はあるものの、過去の研究では、実際に経験しているのは15%ほど」としています。一方、アメリカの看護師805人に聞いた調査(1991年)では、42.7%がマルチオーガズムを経験したことがあると答えました。
数字に幅があるのは、「マルチオーガズム」の定義や、誰に聞いたかが調査ごとに違うからです。ISSM も、マルチオーガズムはあまり研究されておらず、わかっていることの多くは患者さんの話からだとしています。
1回イくと、くすぐったくて、もうさわれないんです。私の体がおかしいのかな…。
おかしくないですよ。高まっているときのクリトリスは、さわると痛いほど敏感になることもあるんです。無理に続けなくて大丈夫。
試してみるなら:イったあとの「間」が大事
- 最初のオーガズムのあと、刺激を弱める:手を離さずに力をぐっと弱くするか、手のひらで包むように軽く押さえる
- 場所をずらす:敏感なところを直接さわらず、まわりや、内もも・下腹部など別の場所へ
- 呼吸を整えて、また高める:くすぐったさが落ち着いたら、ゆっくり刺激を戻す
- 2回目は「来たらうれしい」くらいで:ISSM によると、2回目・3回目は1回目より弱く感じる女性が多いものの、だからといって気持ちよさが劣るわけではないそうです
ISSM は、マルチオーガズムに達しなくても心配はいらず、それがなくても十分に満たされた時間になるとしています。ゴールにしすぎず、そこに向かう過程を楽しむようすすめる専門家もいるそうです。
アイテムを使う人は、強さを一番弱くできるものだと、イったあとの「間」をつくりやすくなります。乾いてきたら潤滑ゼリーを足しましょう。
呼吸は「力まない」ために
高まってくると、つい息を止めて、体に力が入りがちです。息を止めていることに気づいたら、ゆっくり長めに吐いてみてください。
呼吸でオーガズムの回数が増えることを確かめた研究は見当たりませんが、力みをほどいて、体の感覚に注意を戻すきっかけになります。やり方は マインドフルネスの記事 にもまとめています。
骨盤底筋トレーニングは役に立つ?
骨盤底筋は、膀胱や子宮などを下から支える筋肉です。クリーブランド・クリニックは、セックスやオーガズムのときの腟の収縮にも関わるとしています。
ブラジルの若い女性40人を調べた研究(2014年)では、骨盤底筋が強い人のほうが、性機能の質問票で「オーガズム」などの点数が高い結果でした。ただ、これは「強い人ほど点数が高かった」という関係で、鍛えれば上がるとまでは言えません。
骨盤底筋トレーニングを性の悩みの治療として調べた研究をまとめた分析(2024年)では、興奮やオーガズムの点数がよくなっていましたが、研究ごとのばらつきが大きく、結果の確かさは低いとされています。「続けてイけるようになる」とは言えませんが、尿もれの対策にもなる筋トレなので、気になる人は試してみてもいいかもしれません。
クリーブランド・クリニックは、必要がないのにトレーニングをしすぎると、筋肉が緊張しすぎることがあるとしています。骨盤底筋がかたく緊張しすぎていると、セックスのときの痛みにつながることもあるそうです。トレーニングは痛くないのがふつうなので、痛みが出るときは婦人科などで相談してください。
締め方の基本は インナーボールの記事 の「道具なしの締め方」、続けるコツは 膣トレのアプリやデバイスの記事 にまとめています。
受診の目安
よくある疑問
質問:1回イったら、もうさわりたくなくなる。
それも自然な反応です。体が「今日はここまで」と言っているなら、そこで終わりにして大丈夫。続けてみたい日は、刺激を弱めて少し休むところから試してみてください。
質問:続けてイこうとして、ヒリヒリしてしまった。
こすりすぎのサインです。その日はやめて、次は潤滑ゼリーを使う、力を弱めるなどしてみてください。数日たっても引かないときは婦人科へ。見直し方は 手でのふれ方の記事 にまとめています。
質問:ひとりのときはイけるのに、パートナーとだとイけない。
ひとりのときのほうが、刺激の強さや間を自分で調整しやすいからかもしれません。パートナーに「イったあとは少し弱めて」などと伝えておくと、間をつくりやすくなります。差が気になるときは オーガズムの差を縮める記事 も参考にしてください。
参考にした情報
- ISSM: What are multiple orgasms? How common are they?
- Cleveland Clinic: Sexual Response Cycle
- Darling CA, et al. The female sexual response revisited: understanding the multiorgasmic experience in women. Arch Sex Behav. 1991(PubMed)
- Martinez CS, et al. Women with greater pelvic floor muscle strength have better sexual function. Acta Obstet Gynecol Scand. 2014(PubMed)
- Jorge CH, et al. Pelvic floor muscle training as treatment for female sexual dysfunction: a systematic review and meta-analysis. Am J Obstet Gynecol. 2024(PubMed)
- Cleveland Clinic: Kegel Exercises
- Cleveland Clinic: Pelvic Floor Muscles








